ダメージ毛に必要な“補修成分”一覧(ケラチン・CMCなど)
「髪がパサパサする」「指通りが悪い」「カラーがすぐ抜ける」「毛先がスカスカ」
そんな悩みが続くと、シャンプーやトリートメントを変えてもなかなか改善しないことがあります。
実はダメージ毛の補修には、髪の内部構造を理解したうえで必要な成分を選ぶことがとても重要です。
特に、ケラチン・CMC・アミノ酸などは、サロンでもプロが意識して使用する“ダメージ補修の基本成分”。
この記事では、
ダメージ毛に本当に必要な補修成分をわかりやすく解説し、どんな髪にどの成分が合うのかを丁寧に説明します。
美容室の知識を、やさしく・女性向けにかみ砕いてまとめています。
ダメージ毛とは?内部で何が起こっているのか
まずは、ダメージ毛の内部で何が失われているのかを理解しましょう。
髪の構造は3層でできている
髪は大きく3つの層で構成されています。
- キューティクル(外側):髪を守る鎧のような層
- コルテックス(中間):水分・タンパク質・メラニンが入った髪の本体
- メデュラ(中心):空洞・芯のような部分(細毛にはほぼない)
ダメージが進むと、次のような現象が起こります。
- キューティクルが剥がれる
- 内部のタンパク質(ケラチン)が流出
- 水分を保持できなくなる
- CMC(細胞膜複合体)が壊れバサバサになる
これらを適切な成分で補修・補強することがダメージケアの本質です。
ダメージ毛に必要な補修成分一覧
ここからは、髪の修復に役立つ主要な成分を役割別にわかりやすく解説します。
1. ケラチン(タンパク質)|失われた“髪の本体”を補う成分
髪の約90%はタンパク質、その中でも最も多いのがケラチンです。
ケラチンが不足するとどうなる?
- ハリ・コシがなくなる
- 枝毛・切れ毛が増える
- ブリーチでスカスカになる
- 水分を保持できなくなる
特にカラーや縮毛矯正・パーマで流出しやすいため、
ダメージ毛には必須成分。
ケラチンの種類
加水分解ケラチン
髪に浸透しやすく、内部補修向け。
羊毛ケラチン(ウールケラチン)
ハリ・コシUPに効果的で、細毛におすすめ。
羽毛ケラチン(フェザーケラチン)
柔らかく仕上がるため、硬毛・広がりやすい髪に最適。
ヒートケラチン
ドライヤーの熱で内部に定着するタイプ。
アイロンを使う人にとても相性が良い成分。
どんな人に向いている?
- ブリーチ毛
- 枝毛・切れ毛が増えている
- 髪にハリがない
- アイロンをよく使う
2. CMC(細胞膜複合体)|“潤いの通り道”を修復する成分
ダメージ毛で最も不足しているのがCMC。
美容師さんがトリートメントで重視する成分です。
CMCとは?
キューティクルとキューティクルの隙間にある脂質。
水分や栄養を髪の内部へ運ぶ “通り道” の役割。
CMCが不足すると?
- 髪が水分を吸い込めない
- 乾くのが早くなる(ぱさつきの証拠)
- まとまりにくい
- カラーが入りにくい、すぐ抜ける
CMCにはどんな成分がある?
セラミド
水分保持に優れ、しっとりまとまる。
18-MEA
キューティクル表面を整え、ツヤを出す。
コレステロール
脂質を補い、しなやかさを戻す。
どんな人に向いている?
- 乾燥毛
- カラーの色落ちが早い
- 広がりやすい
- 表面がパサパサする
CMCは「乾燥」「広がり」「ツヤ不足」に最も効果的な成分です。
3. アミノ酸|弱った内部を優しく補う成分
アミノ酸はケラチンの“最小単位”。
髪に負担なく浸透し、ダメージの応急処置のような役割を果たします。
代表的なアミノ酸
- アルギニン
- セリン
- グルタミン酸
- グリシン
アミノ酸の効果
- 髪の内部を補強
- 保湿力アップ
- 手触りが柔らかくなる
- シャンプーに配合されると刺激が少ない
どんな人に向いている?
- シャンプーで髪がきしみやすい
- ダメージはあるが細毛で重さを出したくない
- 敏感肌の人
アミノ酸はダメージ毛の“ベースケア”として非常に優秀です。
4. ペリセア|1分で髪の内部に浸透する補修成分
美容師の間で人気が高い成分。
1分で髪内部に浸透・定着するスピード補修成分です。
ペリセアの特徴
- 浸透が速い
- ダメージ部分に吸着
- 持続力が高い
- しっとりまとまる
どんな人に向いている?
- 即効性を求めている
- 縮毛矯正やブリーチで内部がスカスカ
- とにかくまとまりが欲しい
5. コラーゲン|硬くなった髪を柔らかくする成分
ダメージが進んだ髪は硬く、ゴワついた質感になります。
そのとき効果的なのがコラーゲン。
コラーゲンの働き
- 柔らかさを出す
- しなやかさUP
- 保湿力が高い
- 枝毛を広がりにくくする
どんな人に向いている?
- 硬い・広がる髪
- パサついてまとまらない髪
- 乾燥しやすい髪質
6. ヒアルロン酸|水分を抱え込み、乾燥を防ぐ成分
髪の乾燥に特化した保湿成分。
1gで6Lの水を抱えると言われるほど保湿力が高い。
ヒアルロン酸の効果
- 髪の水分量UP
- まとまりUP
- 表面のパサつき軽減
こんな髪に向いている
- 乾燥毛・パサつき毛
- 冬や湿気の季節に広がりやすい人
- 乾燥肌の人
7. 植物オイル(アルガン・ホホバなど)|キューティクル補強成分
内部補修ではなく、外側のケアに強い成分。
植物オイルの役割
- キューティクルの保護
- 乾燥を防ぐ
- 熱ダメージを軽減
- ツヤを出す
- 手触りを良くする
注意点
アイロン前の使用はNG(オイルが高温で焼けてダメージの原因)。
ダメージの種類別|どの補修成分を選べばいい?
髪の状態によって必要な成分は変わります。
1. 乾燥・広がりが気になる髪
必要な成分
- CMC
- セラミド
- 18-MEA
- ヒアルロン酸
理由
→ 水分保持が弱く、潤いの通り道が壊れているから。
2. ハリ・コシがない、ぺたんこ髪
必要な成分
- ウールケラチン
- 加水分解ケラチン
- アミノ酸
理由
→ タンパク質が不足し、内部がスカスカ。
3. ブリーチ毛(ハイダメージ)
必要な成分
- ケラチン(特に加水分解タイプ)
- CMC(セラミド・コレステロール)
- ペリセア
理由
→ タンパク質+脂質の両方が大量に失われているため。
4. 縮毛矯正・アイロンで硬くなった髪
必要な成分
- コラーゲン
- ケラチン(ヒートケラチン)
- CMC
理由
→ 熱変性により硬さ・ごわつきが出ているため。
補修成分を“正しく届ける”ためのポイント
成分だけ知っていても、届かないと意味がありません。
1. シャンプーよりもトリートメント・マスクで補修する
シャンプーは洗浄がメイン。
補修成分は流れやすいため、
内部補修はトリートメントで行うのが基本です。
2. 浸透させるために“髪の水分を軽く絞る”
水分が多すぎると成分が薄まるため、
タオルでしっかり水気をきってから使用します。
3. 温めると浸透率UP
- ホットタオル
- 蒸気 などを使うと、補修成分が内部まで届きやすくなります。
4. アイロン前にミルク・ミストで保護する
熱ダメージを予防し、補修の効果も持続します。
まとめ:ダメージ毛は“必要な成分”を知れば確実に変わる
ダメージケアは、
自分の髪がどの成分を必要としているか理解することから始まります。
今日紹介した成分をまとめると、
- ケラチン:髪の本体(タンパク質)補修
- CMC:水分・栄養の通り道を修復
- アミノ酸:内部を優しく補強
- ペリセア:即効性のあるダメージ補修
- コラーゲン:硬さ・ごわつき改善
- ヒアルロン酸:高い保湿力
- 植物オイル:キューティクルを守る
どの成分が足りないか見極めれば、
髪は確実に改善していきます。

